乳腺外科 (ブレストセンター)

ブレスト(乳腺)センター

 現在、我が国において乳がん患者数は増加の一途を辿り、女性癌罹患率の中では最も高い割合を占めております。一方で、乳がんに対する研究も急速に進歩し、早期発見や適切な治療により、高い根治性も期待出来ます。乳がんの治療は、従来とは比べものにならないほど複雑になり、高い専門性が要求される時代となりました。
 当院では質の高い乳がん診療を行うため、ブレスト(乳腺)センターを開設しました。
ブレスト(乳腺)センターでは乳腺外科、形成外科などの医師とともに、乳がん看護師や癌治療薬剤師など各分野のスペシャリストが協力し合って、総合力を活かしたチーム医療のもと、質の高い乳がん診療を提供できるよう心掛けております。


外来担当医一覧
平成29年03月01日より
 
午 前
櫻井 孝志
関 大仁
手術
櫻井 孝志
手術
関 大仁
午 後
櫻井 孝志
手術
 
手術




専門分野
氏名
 
資格
コメント
乳腺外科
(センター長)
櫻井 孝志
日本乳癌学会専門医・指導医
日本外科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医
マンモグラフィ読影認定医
診断から治療(手術・化学療法など)まで一貫したケアを提供しています.乳房の病気に対して前向きに治療できるようお手伝いさせていただきます.
外科
中島 顕一郎
日本外科学会専門医・指導医
日本乳癌学会認定医
日本がん治療暫定指導医
 
乳腺外科
関 大仁
日本乳癌学会専門医
日本外科学会専門医
日本抗加齢医学会専門医
日本がん治療認定医
マンモグラフィ読影認定医
癌の根治性だけでなく整容性を配慮した手術を心掛けています。患者さんお一人お一人の病状に合わせた個別化治療を行いますのでご相談下さい。
外科
林 航輝
 
 
 
形成外科部長
高野 淳治
 
日本形成外科学会専門医
皮膚腫瘍外科指導専門医
乳房の再建は患者さん自身の組織(自家組織)を使う方法、人口乳房による方法の両方を行っております。患者さんにあった安全で美しい乳房の再現を心がけています。
形成外科
中村 友季恵
 
 
術後の処置を担当しております。ご不明点はお気軽にご相談下さい。
形成外科
山田 美紀
マンモグラフィ読影認定医
乳癌患者さん一人一人の人生、生活がより良いものとなるようサポートさせていただきます。
お気軽にご相談下さい。
看護師
清水 章子
 
 
 
薬剤師
樋下田 香織
 
 
 
事務
池田 直子
 
 
 


初診の方へ


(ステレオガイド下・エコーガイド下)マンモトーム生検のご案内
○当院では乳癌の低侵襲で正確な診断を目的に(ステレオガイド下・エコーガイド下)マンモトーム生検行っています。

 ステレオガイド下生検装置には腹臥位で検査可能な最新の機器を用いています。
 検査をうつぶせのまま行えるため、体の負担やストレスが軽く、気持ちが悪くなったりすることが少ない装置です。
 検査対象ですが、エコーガイド下マンモトーム生検は、エコーで確認できる、癌の疑いのある病変が主体です。とくにしこりを触れない小さな早期癌の診断に効果を発揮します。ときに良性腫瘍の摘出などにも用います。
 ステレオガイド下マンモトーム生検は、マンモグラフィ検査のみで異常が認められる病変に対して効果を発揮します。石灰化病変が大部分で、その他エコー検査で確認できないような腫瘤や変形などにも用います。
 従来これらの診断には、切開生検という手術が行われてきましたが、マンモトーム生検は、局所麻酔下に3-4mm程度の傷で正確な診断が可能です。もちろん外来通院で検査可能です。

 石灰化病変について:マンモグラフィ検査にて認められる、乳腺内のカルシウムの沈着です。明らかに良性のものから、癌によるものまで様々です。検診で見つかる石灰化は癌であってもごく早期のものが多いので、要精査と言われても怖がらずに検査を受けましょう。

マンモトーム装置 ステレオガイド下マンモトーム室

2016年の検査実績
 ステレオガイド下マンモトーム生検は02例に行いました。検査例中癌であった症例は19例(26.4%)で、その大部分(15例)は、非浸潤(ごく早期の)癌でした。

対象となる各臓器項目内

乳腺(乳房)

I 診療体制 I
 当院外科は日本乳癌学会の認定施設として認められています。認定施設とは、乳腺疾患の診療について、充分な設備と経験豊富な外科医を有し、毎年多くの乳癌治療を行っていることを意味しています。
診療スタッフは乳癌学会より認定された乳腺疾患専門医2名、認定医2名および常勤外科医6名で、診断と治療について専門医を中心として行っています。それぞれがマンモグラフィ読影や超音波検査の認定を取得しています。

I 対象症状 I
 しこり・乳房の変形・乳頭分泌・乳房の大きさに左右差があるなど、自覚症状のあるものはもちろんですが、検診で異常を指摘された自覚症状のない病変の精密検査も積極的に行っています。

I 検査法 I
 マンモグラフィ(乳房X線撮影)・超音波(エコー)・MRI・CT・針細胞診・針生検・(ステレオガイド下・エコーガイド下)マンモトーム生検など

I 治療法 I
○ 乳癌の治療
乳癌治療の基本は、手術・放射線・抗癌剤・ホルモン剤です。
病気の進み具合や性質によって、これらの治療法を組み合わせていきます。

1)手術
乳癌治療の大原則は腫瘍の外科的切除です。現在では、乳房や腋窩リンパ節を温存することが標準的となっておりますが、さらに当院ではエビデンスに基づいた質の高い、「低侵襲かつ整容性に配慮した治療」を心がけております。また、形成外科との連携によって乳房再建を行っております。

主な術式について
  腫瘤摘出術、乳房温存手術、乳房切除術、乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘術およびエキスパンダー挿入術、センチネルリンパ節生検、内視鏡による手術、乳房再建

【乳房に対する手術】
腫瘤摘出術
良性と判断される腫瘤(しこり)や、他の検査方法では悪性の可能性を確実に除外することができない腫瘍性病変に対して、診断かつ治療を目的として行います。病変のみをくり抜くように手術するため、小切開で行われます。

乳房温存術
腫瘍周囲の乳線組織を一緒に切除して、可能な限り乳房を残す方法です。手術中の迅速病理診断によって、切除した乳腺の断端にがん細胞が残っていないことを確認します。現在、多くの患者さんがこの術式で治療を受けることが可能ですが、腫瘍の大きさや数、病変の広がり具合によっては適応外となる場合もあります。
乳房温存術をお受けになった場合は、局所再発を予防するために、原則として術後放射線照射
が併用されます。
 また、当院では術前化学療法やホルモン療法により可能な限りしこりを小さくすることで乳腺の切除範囲を最小限にして、より整容性に優れた乳房温存手術
をおこなうことも可能です。

乳房切除術
乳頭乳輪を含め乳腺を全て切除する術式ですが、以前のように、大胸筋や小胸筋まで一緒に切除することはありません。またご希望により後日乳房再建をすることも可能です。当院ではもっとも頻度の少ない術式です。

乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘術およびエキスパンダー挿入術
 腫瘍が大きい場合や広範囲な乳管内病変が認められるため乳房を温存することが難しい場合、術後放射線照射を受けることのできない場合などで、乳房再建を希望される方が受けられる術式です。術前の画像検査精度や乳房再建技術の向上によりこの術式による手術が年々増加傾向にあります。
当院でも乳房を残したい患者さんのために、形成外科と連携し、積極的に取り組んでおります。方針としては乳頭乳輪は温存していますが、乳頭内に病変が広がってきている場合は、乳頭乳輪の合併切除を伴う皮下乳腺全摘術に変更になることもあります。また再建方法はエキスパンダー挿入(一次二期再建)が基本ですが、所見によりインプラント挿入術(一次一期再建)や、広背筋など自家組織による再建術が可能な場合もあります。
 
【腋窩リンパ節に対する手術】
乳がんに限らず、一般的にがんにおける手術では原発巣(がんの本体)の切除だけでなく、再発予防のために所属リンパ節(原発巣周囲にあるリンパ節)を一緒に切除することが標準的です。乳がんの場合、患側(病気のある方)の腋窩(脇の下)のリンパ節を切除することが従来、標準的な手術方法とされていましたが、近年、センチネル(見張り)リンパ節生検により、ほとんどの患者さんで腋窩リンパ節郭清を省略することが可能になりました。

センチネルリンパ節生検
 がん細胞がリンパ管に入り、最初に転移すると考えられるリンパ節をセンチネルリンパ節といいます。手術中にセンチネルリンパ節を選択的に生検し、がん細胞の転移を認めなければ、腋窩リンパ節郭清を省略することが可能です。当院では色素法アイソトープ法を併用することで、より確実なセンチネルリンパ節の同定をおこなっております。

腋窩リンパ節郭清
 再発予防を目的に患側の腋窩リンパ節を全て切除する方法です。現在では、術前の画像診断で明らかなリンパ節転移を認める場合や細胞診でがんの転移が確定している場合を除いて行われることが少なくなりました。合併症として、患側上肢の挙上障害上腕内側の感覚障害リンパ浮腫などをきたす可能性があります。当院では合併症予防のためリハビリ科と連携し、術後より患側上肢のリハビリ指導をおこなっております。

腋窩リンパ流の確認
 腕のリンパ流の多くは腋窩リンパ節を通って身体の中心部に戻ってくるため、センチネルリンパ節生検のみであっても場合によってはリンパ浮腫をきたす可能性があります。当院ではご希望により腋窩リンパ流を確認するための検査を行うことも可能です。これにより、御自身が将来的リンパ浮腫をきたす可能性を予測することができます。

【内視鏡手術】
 いずれの術式であっても当院では内視鏡によるアプローチも可能ですので、詳細は主治医にご相談ください。

【乳房再建】
 形成外科と連携し、エキスパンダー・インプラントによる人工物再建や自家組織による再建術を提供しています。外科手術時に同時に再建を始める一次再建が主流ですが、病状によっては外科治療終了後に再建を始める二次再建が適切な場合もあります。

 当院ブレストセンターでは、がんの根治性はもとより、それぞれの患者様の病状やご希望を最大限考慮し、手術方法を選択しておりますので、納得のいくまで遠慮なくご相談下さい。

【手術実績】
 2016年の手術件数は305例(317乳房)でした。内訳は乳房温存術162乳房(51.1%)全摘術 91乳房(28.7%)乳房再建 64乳房(20.2%) 、術前化学療法 35例 、ステレオマンモトーム 72例 (うち悪性 19例26.4%) でした。

入院後の経過および入院期間について
 当院では、原則として手術前日にご入院頂き、医師・看護師から手術方法の確認や入院中の過ごし方に関する説明が行われます。手術当日の朝、センチネルリンパ節生検の前処置として、乳房にアイソトープと呼ばれる薬剤を注射させて頂きます。
手術翌日よりお食事を召し上って頂いており、歩行も可能です。
 退院までの期間はお受けになる手術によって異なりますが、乳房温存手術は術後2日、乳房切除術は術後3日から7日、乳房再建術では約2~3週間で退院となります(腫瘤摘出術は原則、日帰り手術です)。
 入院中、少しでもご不明な点やご不安なことがありましたら、遠慮なく医師または看護師にご相談下さい。

○ 術前化学ホルモン療法について
病変の大きさや性質によっては、最初に抗癌剤やホルモン剤による治療を行います。術前治療のメリットは、治療効果がはっきり判ることにより無駄な治療が避けられること、病変が小さくなれば温存手術が可能となる場合があること、などです。

○ 再建手術や内視鏡手術について
切除手術とともに、美容的な観点から形成外科医と協力し、色々な形成手術や再建手術を平行して行っています。
切除や再建時に内視鏡を併用した手術も行っています。

○ 良性疾患(乳癌以外の病気)の治療
多くの良性疾患は治療を必要とせず、経過観察で充分です。治療が必要な場合、基本的には外来通院で治療します。代表的な病気として、葉状腫瘍があげられます。

○ 自己検診・乳癌検診
乳癌は色々な癌腫の中では比較的良く治る癌ですが、やはり早期発見が大切です。
幸い乳房は体の表面にあるので、皆さん自身で異常を発見することができます。
さらに定期的に検診を行い、しこりを触れない段階で早期発見することにより、小さな手術や軽い治療で根治できる可能性が高まります。
当院では健康管理センターにおいて、乳癌検診および乳腺疾患フォローアップ外来を行っています。

臨床研究について
乳癌治療の進歩のため、臨床研究を行っています。
当院独自の研究として、リンパ浮腫の発症予防を目的とした「腋窩リンパ流マッピング」を、埼玉乳がん臨床研究グループ(SBCCSG)の一員として、各種の臨床研究を行っています。

病診連携について
乳癌の効率的な発見と治療、術後のフォローなどについて、医師会の検診施設や乳癌専門クリニックの先生方と密に連携を行っています。


ブレストセンター(乳腺外科)臨床研修プログラムの概要
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