診療・各部門
薬剤部の目標
適切で良質な医療を提供するために、最善を尽くして薬剤師職能を発揮し、有効性・安全性・経済性に優れた薬物療法を提案実行する
- 薬物療法の提案実行・医薬品の情報提供を通じてチーム医療に貢献し、良質で安全な医療を行います
- 医薬品の適正使用を推進することで効果を最大限得ると共に副作用を未然に防ぎます(プレアボイド推進)
- 適切で持続可能な医薬品管理を通じて病院経営に貢献します(健全経営貢献)
- 積極的な情報発信および情報共有を行い、地域医療機関との連携を深めます(地域連携強化)
- 継続した自己研鑽をおこない、得られた知識と技能を共有します(自己研鑽・人材育成)
業務現況(2023年4月1日現在)
常勤薬剤師:23名 薬剤部事務員:非常勤5名・委託2名
薬品管理:採用薬品 1700品目 購入額約18億円/年
外来処方箋:500枚/日[院内20枚 院外470枚 院外処方箋発行率96%]
入院処方箋:270枚/日
注射処方箋:350枚/日(外来)
注射剤混注:抗がん剤 456件/月 TPN 11件/月
薬剤管理指導:777名/月 956/月算定 1354件/月実施件数
病棟薬剤業務実施加算:2016年8月より算定
お薬は「用法・用量・使用上の注意」を正しく守った上で、十分な効果が発揮されます。お薬の効果と、副作用はどちらも薬本来の性質です。患者様の体質、体調、年齢、性別、生活環境など様々な要因から発現する副作用を未然に防止し、効果を十分にひきだすことが重要になります。私達薬剤科では、病院の中で使われている全てのお薬について、安全で効果的に使用されるように関与しています。 お薬を通して、患者様がより安心して医療を受けられるように、そして1日も早く回復できるように努めています。
● 外来窓口
お薬は、原則として、院外の保険薬局で受け取っていただくことになりますが、主治医の判断で院内処方となることもあります。
院内でお薬をお受け取りになられる方は、各科外来での診察、会計が終わった後、お薬をお渡しします。領収書の下についている引換券の番号が、薬剤科前の電光表示盤に表示されましたら、引換券をお薬お渡し口へお持ちください。
インスリン注射薬等に使用する注射針、消毒綿、血糖自己測定用の穿刺針、センサー等の消耗品もお薬お渡し口でお渡しします。消耗品等引換券をお持ちください。
● オーダリングシステム
(医療従事者が診療の場において、指示、情報を発生源でコンピュータを利用して依頼処理し、関連部門に伝達する医療情報の電算システム)
〈薬剤部門調剤システム〉処方指示に基づいて処方箋が発行されます。必要に応じ、処方箋監査後の情報を自動調剤分包機 や薬袋印字機へ伝達します。
● 調剤室
医師の発行する処方箋に基づいて、患者様の病態に最も適したお薬の調剤を行っています。調剤を行う際には、お薬の用法、用量、のみ合わせなどのチェックも行い、複数の処方監査の上、お薬を患者様にお渡しします。
● 注射室
入院患者様、外来患者様用の注射薬のセットを行っています。注射薬の中には混合すると濁ったり薬の効力が低下する組み合わせもあります。 薬剤師は化学的なデータを参考に混合後の安定性や投与速度の確認をした上で、調剤、監査を行います。
● 医薬品情報室
患者様が安心して適正にお薬を服用・使用して頂けるよう、様々な情報の収集、整理、保管、評価、提供を行っています。また、医師をはじめ他の医療従事者へも積極的に情報提供をし、質の高い薬物治療が行えるようサポートしています。
● 製剤室
各種機械を設置し、市販されていない散剤、軟膏剤、坐剤、点眼剤などを指針に沿って調製し、院内製剤をつくっています。 また、消毒薬等の調製も行っています。調製した薬のデータ管理や品質管理も薬剤師の大切な業務となります。
● 注射薬混合調整業務
当院薬剤科では抗がん剤、中心静脈栄養(TPN)の注射薬の混合を行っています。患者様に安心して、また有効に用いられるよう、投与量のチェックを行い、安全キャビネット、クリーンベンチを使用して無菌的で安全な調製を行っています。
● 薬品管理業務
病院内で使用される全ての医薬品の購入、在庫、供給、品質管理、また一般医薬品とは区別して、毒薬、劇薬、向精神薬、覚せい剤原料、危険物薬品、治験、血液製剤の法規制管理をしています。一例として、麻薬は麻薬管理者、卸売業者相互の立会い確認により検収され、施錠堅固に保管し帳簿による記録や事故及び破棄の際、都道府県に届出などを行っています。
● 病棟業務
病棟ごとに担当の薬剤師が常駐し、すべての入院患者様の薬物療法をサポートしています。また、薬剤管理指導業務として、入院患者様にお薬を適正に使用していただくための情報提供をしています。記録の作成など薬学的管理をし、チーム医療の一員として医療の質向上に努めています。薬剤師がベッドサイドに出向いた時には、お薬について何か解らないことがあれば、お気軽にご相談ください。
● 薬剤師外来
2014年6月より、薬剤師外来を開始しました。抗悪性腫瘍薬の内服または注射の必要性等について文書を用いた説明を行っています。その他副作用対策等、必要時に適宜相談を受け付けています。また一部の診療科では、在宅で自己注射を行う患者様に説明・指導を行っています。
● チーム医療
① 栄養支援チーム(NST)
適切な栄養療法を行うことで、術後の創傷治癒遅延や、免疫能低下による感染性合併症の発生率を改善し、入院期間の短縮も見込まれます。2016年より院内のチームメンバー(医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、言語聴覚士、臨床検査技師、事務員)のほかに、近隣の歯科医院の歯科医師、歯科衛生士が加わりました。NST回診に薬剤師も参加し、栄養療法の検討をしています。
② 感染対策チーム(ICT)
当院のICTは、医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師、事務員で構成されたチームで、病院内での感染症発生状況を監視し、分析・評価を行っています。週1回のICTラウンドでは、チームで院内の消毒薬・抗菌薬の適正使用の確認や、薬剤の保管状態、医療廃棄物の取り扱い、医薬品の微生物汚染対策など、さまざまな感染予防策の実施状況を確認し、各現場での問題点を点検します。薬剤師は、院内での抗菌薬の使用状況の把握、限定使用抗菌薬の届出管理も行っています。
③ 緩和ケアチーム
医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床心理士、ソーシャルワーカーによる週1回の病棟ラウンドと月1回の会議に参加し、チームとして情報を共有し薬剤の情報提供を行っています。
④ 糖尿病療養指導
糖尿病教育入院の患者様に、多職種による糖尿病教室を開催しており、薬剤師も講義を行っています。また、糖尿病療養指導士(看護師、管理栄養士、薬剤師)や医師による月1回のミーティングを行い、糖尿病診療・療養指導の情報共有をしたり、患者様向けの情報紙『ぐるさぽ』の発行を行っています。11月14日の世界糖尿病デーに合わせて、院内でも糖尿病デーのイベント・掲示等も行っています。
● 薬-薬連携
2014年9月より保険薬局の薬剤師の方々と、当院医師・薬剤師等のスタッフによる説明会・勉強会を行い、情報交換の場として活用しています。
2019年8月 さいたま市薬剤師会との疑義照会簡素化プロトコルの締結をしました。
2020年11月より当院で使用しているがん化学療法レジメンを薬剤部スタッフが説明する「レジメン研修会」を開催しています。2021年1月より連携充実加算の算定も開始しました。
● 学生実務実習等
薬学部学生の実務実習を、現在は年間3期受け入れています。また、薬学部学生の早期体験学習や近隣の中学校・高校の職場体験も適宜行っています。