診療・各部門
一般撮影検査について
一般撮影検査は、X線(レントゲン)を用いて主に胸部、腹部や骨などを撮影する検査のことです。X線は体内を通り抜け、各組織のX線吸収差が白黒の画像として得られます。肺などのX線が通り抜けやすい部分は黒く、骨などの通り抜けにくい部分は白く写ります。
一般撮影はCTやMRIに比べて簡便かつ迅速に全体像を知ることができるため、第一選択として最も頻度の高い検査です。
一般撮影検査の流れ
受付
放射線部窓口へお越しいただき、受付で診察券をお出しください。受付すると名前が記入されたシールが渡されますので、シールを持ったまま検査室前で待機してください。
検査室へ案内
検査室が空き次第、放射線技師が検査室へ案内します。案内の際、本人確認のためシールをお渡しいただき、お名前を確認いたします。なお、検査の内容によって順番が前後する可能性がありますのでご理解・ご協力をお願いいたします。
着替え
撮影する部位にボタン、チャックやネックレス等の金属類、湿布、カイロ等があると画像に写り込み、診断に支障をきたす恐れがある為、可能な限り外した状態で撮影します。更衣室で検査着に着替えていただくこともあります。
撮影
検査内容によって立った状態や座った状態で撮影する場合や、方向を変えて複数枚の写真を撮影する場合があります。その時に息を吸って止めたり、息を吐いて止めたり、息止めをお願いすることがありますのでできる範囲でご協力をお願いいたします。撮影後、身支度をし、退出していただきます。
実際の一般撮影検査
胸部X線単純撮影
肺炎、肺結節、肺気腫、肺がん、胸水、気胸、心臓の大きさ・形などが分かります。
腹部X線単純撮影
腸管内ガス、腸閉塞(イレウス)、消化管穿孔、腹水、尿管結石の有無などが分かります。
骨部X線単純撮影
脊椎や四肢などの骨を撮影し、骨折・脱臼の有無、骨変形、関節炎などが分かります。
ポータブル撮影
主に入院病棟や救急外来で移動が困難な患者さまを対象に移動型X線撮影装置を用いて撮影室以外の病室で撮影を行っています。FPD(Flat Panel Detector)を使用しているため、その場で撮影した画像をすぐに確認することが出来ます。
一般撮影装置の特徴
・撮影装置について
当院の一般撮影室は3部屋あり、立位撮影用、臥位撮影用、脊椎全長撮影用の装置があります。
また、全ての撮影室でFPD(Flat Panel Detector)を使用しています。FPDとは検出器のことで、体内を通り抜けたX線をFPDで受け取り直接デジタル信号に変換することで画像を得ることができます。現像をする必要がないため、従来よりも被ばく線量が少なく、短時間でより高精度な画像を得ることができます。また、撮影した画像はすぐに主治医に転送されるため円滑に診察を行うことが出来ます。
第1撮影室
令和5年5月 新規導入
立位臥位撮影装置・脊椎長尺撮影装置システム
CALNEO Flow/CALNEO GLシステム(富士フイルムメディカル社製)
第2撮影室
立位臥位撮影装置・脊椎長尺撮影装置システム
AeroDRシステム(KONICA MINOLTA社製)
第3撮影室
令和4年5月 新規導入
立位臥位撮影装置システム
DR CALNEO Flowシステム(富士フイルムメディカル社製)
一般撮影検査に関するお願い・注意事項
- 撮影する範囲にメガネ、ネックレス、ピアス、補聴器、入れ歯、ブラジャー、ボタン、湿布、カイロ、 エレキバン、服のプリント、チャック、鍵など、画像に写りこんでしまうものがあると診断に支障をきたす恐れがあるため外していただきます。撮影する部位によっては検査着に着替えていただく場合があります。 円滑な検査のため、事前に撮影部位にボタン、金具等がないようにご協力お願いします。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、検査前に医師や放射線技師に必ずお申し出ください。
- お子様・体調の悪い患者さま等の撮影の際には、付添者にご協力をお願いする場合があります。
一般撮影検査のFAQ
何度も撮影を行っていますが、放射線による影響はありますか?
一般撮影での放射線の量は少なく、健康に影響を及ぼすほどの被ばくはありません。
撮影部位や症状によって必要最小限の撮影回数、撮影枚数を医師が判断して検査を行っております。安心して検査をお受けください。
子供が検査を受けても大丈夫ですか?
身体が成人より小さいので、その分撮影に必要な放射線の量も少なくなります。最低限の線量となるように、機器の設定、撮影範囲の設定、適切な防護を行います。放射線による影響を心配する必要はありません。
妊娠している(妊娠の可能性がある)ときに、検査を受けても大丈夫ですか?
一般撮影検査での放射線の量では胎児に影響を及ぼさないことが確認されています。しかしながら、妊娠中や妊娠の可能性がある場合はより検査の必要性を考慮する必要があるため、必ず検査を受ける前に医師に相談してください。
胸部の撮影はどうして息を吸って撮影するのですか?
大きく息を吸うことで、肺が広がり肺の構造が見やすくなります。
同一人物でも呼吸のタイミングで肺の大きさがかなり違います。例外もありますが、正確な診断のために、大きく息を吸って、息を止めて撮影することが大切です。
ほかの撮影部位でも必要に応じて呼吸の合図を行うことがあります。
朝食をとってきたのですが撮影に支障はないですか?
造影剤を使う検査ではないので、一般撮影検査では問題ありません。