診療・各部門
核医学検査について
核医学検査は、放射線を放出する物質(アイソトープ)を含む医薬品を体内に投与し、病気の場所や臓器の働きを調べる検査です。目的とする病気や臓器に集まった医薬品をガンマカメラという専用の装置で画像にし診断します。部位によって検査時間や検査方法は異なりますが、苦痛や副作用が非常に少なく、放射性医薬品取り扱いガイドライン講習を受けた診療放射線技師が安全に検査を行っています。
核医学検査からのお知らせ
核医学検査装置が新しくなり、SPECT/CT装置となりました。
SPECT/CT装置は、ガンマカメラとCTが一体となった装置です。
一体化した装置により、核医学の機能・代謝画像とCTの解剖学的位置・形態情報を一括して観察できるようになります。このことで、核医学画像単独では判断が困難な生理的集積と異常集積の区別、異常集積がどこの部位に該当するのかなどについて、正確かつ迅速に判断ができるようになります。
核医学検査の流れ
検査予約
医師の診察を受け、検査の予約を行います。
予約時に主治医または看護師から検査時間や検査前の注意点などについて説明がありますので 、それを守ってください。
検査説明
検査当日は検査時間15分前に放射線科受付にお越しください。
診療放射線技師から詳しい検査説明が行われます。
注射
医師が放射性医薬品の注射を行います。
注射を行ってから目的臓器に集まるまで時間をおきます。
検査内容によって待っていただく時間は異なります。
撮影
検査はベッドで仰向けに寝て行います。目的臓器に集まった放射性医薬品から出る放射線をガンマカメラという装置で測定し、その分布を画像にします。息止めなどはありませんので静かに寝ている間に終わります。
結果説明
検査画像は核医学の専門医が診断いたします。
後日、主治医から検査結果の説明があります。
実際の核医学検査
・骨シンチグラフィ
頭から足先まで、全身の骨を検査します。
この検査に用いられる医薬品は、骨の代謝や反応が盛んなところに集まるため、この性質を利用して、骨腫瘍や骨の炎症、骨折の診断ができます。
検査方法
放射性医薬品を注射し、3~6時間後、骨に医薬品が 集まってから撮影を行います。
待ち時間の間はご自由にお過ごしください。撮影直前にトイレに行って排尿します。ベッドの上に横になり、50分程度かけて撮影を行います。
・ダットスキャン
脳内のドパミン神経の状態を検査します。
ドパミン神経の変性・脱落の程度を評価することによりパーキンソン症候群やレビー小体型認知症の診断の早期診断や認知症の鑑別診断に役立つ検査となっています。
検査方法
放射性医薬品を注射し、3~6時間後、骨に医薬品が 集まってから撮影を行います。
待ち時間の間はご自由にお過ごしください。撮影直前にトイレに行って排尿します。ベッドの上に横になり、50分程度かけて撮影を行います。
・心筋負荷シンチグラフィ
負荷時と安静時の心臓の血流状態を検査します。
負荷には運動(自転車こぎ)をして心臓に負荷をかける方法と薬剤を使用して心臓に負荷をかける方法の2種類あります。負荷時と安静時の2つの画像を比べることで、狭心症や心筋梗塞などの診断に役立ちます。
血流状態が正常であれば右図のように心臓の血流にしっかりと薬剤が取り込まれます。
検査方法
検査予約時に運動負荷、薬剤負荷どちらにするか決めます。検査当日は朝食を控えていただきます。また、喘息の既往がある方は薬剤負荷は行えません。
心電図や血圧を測定しながら心臓に負荷をかけていき、1回目の医薬品を注射します。その後、撮影を行います(負荷時)。しばらく時間を空け2回目の注射をし、撮影を行います。(安静時)。
検査は朝からお昼過ぎまでかかります。検査中は乳製品の摂取や撮影時間など細かく指示が決められていますので守っていただくようお願いします。
核医学装置の注意事項
・検査予約について
核医学検査はすべて予約制です。使用する放射性医薬品は当日病院に届き、期限も当日限りです。確実に来院できる日を予約してください。もしキャンセルされる場合は前日16時までに必ず電話連絡をお願いします。
・検査の前処置について
検査の種類によっては、食事を抜いてきていただいたり、下剤などの薬を処方されたりする場合があります。検査予約時にお伝えしますので指示を守ってください。
・放射線被ばくについて
放射性医薬品は放射線を出すお薬です。投与と同時に被ばくはしますがごく微量であるため、健康被害の心配はありません。また体内の放射線は時間の経過とともに少なくなり排泄されてなくなります。
妊娠中の方、妊娠の可能性のある方、授乳中の方は検査予約時に主治医にお知らせください。
核医学検査のFAQ
核医学検査の詳しい内容は以下のサイトをご覧ください。
このQ&Aは、核医学検査をお受けになる方やそのご家族の方に読んでいただき、
核医学検査についてのご理解を深めていただく目的で、日本核医学会、日本核医学技術学会および日本アイソトープ協会の3団体が共同で作成したものです。