血管造影検査

診療・各部門

血管造影検査について

血管造影検査は、主に放射線科医が中心となり、診療放射線技師および看護師と協力して行います。
検査は足の付け根や腕の動脈から細い管(カテーテル)を用いて目的の血管まで挿入し、造影剤という薬剤を血管に注入しながらX線を用いて連続撮影をする検査です。
撮影された画像から悪性腫瘍に栄養を送っている血管や出血部分を特定し、腫瘍の栄養血管から抗がん剤を注入したり、血管を塞栓したりして治療することが可能となります。これらを血管内治療(IVR:Interventional radiology)といいます。
当院の血管造影検査室では主に腹部血管撮影を行っています。

血管造影検査の流れ

外来または入院後に担当医より検査・IVRについての説明があります。
多くの場合は、入院が必要となります

病棟での準備

検査・IVR当日は、病棟で着替え、点滴などの準備を行い、血管造影検査室へ移動します。

血管造影検査室での準備

撮影室移動後は、本人確認のため氏名、生年月日を確認します。検査台に移動し、仰向けに寝ます(検査により手をあげたり体を傾けたりする場合があります)心電図、血圧計、酸素モニターなどを装着します。

検査・撮影

足の付根また肘の部分を消毒、麻酔したあと、体の上に清潔な布をかけます。消毒、麻酔をしたところにある血管へカテーテルを入れるためのシースといわれる細い管を入れます。シースからガイドワイヤーをいれカテーテルとともに目的の血管まで進めていき、造影剤を注入して撮影をします。撮影の際には医師や放射線技師より合図がありますのでそれに合わせて息止めをします。

治療・IVR

カテーテルを進めていった先から悪性腫瘍に抗がん剤を流したり、悪性腫瘍に栄養する血管や出血した血管をコイルやお薬で塞栓する処置を行います。

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検査・治療終了後

治療終了後、シースを抜いて圧迫止血をします。止血後に体を大きく動かしたり、止血した部位を曲げたりすると出血する恐れがありますので検査・治療終了後も数時間安静にしている必要があります。担当医の指示に従ってください。

【肝動脈化学塞栓療法(TACE)症例】

血管造影検査の注意事項

検査の前日までには入院していただきます。

  • 検査当日の朝食は原則として禁食となります。また、飲み物に関してはお飲みいただいて構いません 。
  • 血管造影室に向かう前に、病室にてカテーテルを挿入する部位を清潔にするため剃毛することがあります 。
  • 検査が長引くことも予想されるため、お小水の管を挿入することがあります 。
  • 検査中、麻酔は局所麻酔のため意識がある状態で検査・治療を行っていきます。検査台が高い位置で行いますので何かありましたらスタッフに声をおかけください 。
  • 検査終了後針を刺した部分は安静にしていてください 。
  • アレルギー歴をお持ちの方はその旨について事前に医師にお伝えください。特にヨード造影剤(CT検査などに使用します)アレルギーの際には事前の処置が必要となる場合があります。

血管造影検査装置の特徴

DSA画像による血管の描出

DSA(Digital Subtraction Angiography)とはデジタル差分血管造影法という撮影です。
通常の撮影では骨や腹部内臓器が画像上に描出されますが、この撮影法は造影した画像から造影前の画像を消すことによって血管のみを描出することが可能となります。
DSAは血管が見やすくなり、さらに使用する造影剤の量も通常に比べて少なく済みます。

様々な角度から観察が可能です

CアームというX線管球の備わっている部分の様々な部分を軸として回転させることで柔軟な動作やポジショニングが可能となり、患者さまをできるだけ動かさずに観察したい角度に合わせられることで、安全に検査を行えます。Cアームを様々な角度に動かし撮影することで血管の形状の見え方が違ったり、血管の重なりを防いだりすることが可能です。

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CBCTによる3D画像の作成

血管撮影装置に搭載されたFPD(フラットパネルディテクタ) を用いてアームが回転し撮影することで、CTのような画像と共に3次元画像を得られます。それにより腫瘍濃染や出血などの検出が可能となり、従来の検査に加え、診断だけでなくIVRの支援ツールとして用いられます。

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血管造影検査のFAQ

Q:血管内治療(IVR)のメリットは?

A:体に大きな傷をつけずに低侵襲な治療が行えるため、数日間で退院が可能となります。
 一方で造影剤の使用によるリスクや放射線被ばくといったデメリットもあります。

Q:かかる時間はどのくらい?

A:検査内容によって大きく異なります。準備から終了まで1時間程度の場合から4時間程度かかることもあります。担当医からの説明の際にご確認ください。

Q:痛みはありますか?

A:通常局所麻酔を行い、麻酔を行った部分に針を穿刺していきます。麻酔が効いてくると痛みはほとんどありませんが、軽い痛みを感じることもあります。我慢ができないような場合にはスタッフに声をかけてください。